草野球論; 第3回 「Evolution」

草野球論 ― 名将の伝え ―

右も左も判らぬまま飛び込んだ草野球のフィールド。一口に"草野球"といっても奥が深いものです。考え方ひとつで、価値観も一変し新しい感動と出会えます。入門者の方々、バリバリの硬式野球部OBの方々も共存する、１つの素晴らしい世界が草野球です。球界を引っ張る名将に学びましょう。活動意義、戦術、野球観･･･名将の伝えを胸に「それぞれの充実」を目指し、輝きましょう。伝えに学びながら、ご自身の新しい価値観を見出してください。

数度の相模原Ａ級制覇、国体予選神奈川県大会出場。2002年、ストロング電撃デビューを果たし11戦全勝で史上初の2冠達成。結成30年の最強理論。

第3回「Evolution」　/　淵野辺オリオンズクラブ小柳嘉巳監督

今、草野球界には企業チーム、クラブチーム等が存在する。そのチームの生い立ち、存在意義、そのチームに課せられた使命はそれぞれまちまちである。我が淵野辺オリオンズクラブにおいては、『企業TOPチームを倒し、神奈川制覇、全国制覇を成し遂げること』『とにかく勝つ、勝ちに徹底的にこだわり、勝つためには真剣にやるべきことをキチントやる』ということを掲げている。
なぜ、このようなことが『勝ちにこだわるチーム』に必要なのか？バリバリの甲子園球児、社会人、大学上がりの硬式野球経験者を集めたチームが軟式野球のTOPチームに勝てない、どうしても勝てない。と言う話はよくある話だ。軟式野球は同じ野球であっても、硬式野球とは一線を隔したまったく別のスポーツといって良い。『1点をとることにこだわる』『1点をやらないことにこだわる』徹底的にこだわり、また考える。それを理解して実践しているのが、企業TOPチームである。あと一歩まで追い詰めたが結局１VS　0で敗れた。ということは皆さんにも経験があることだろう。この敗戦を『いや！惜しかったな！』で終えてしまうチームはそれまでのチームだ。この差が大きいのである。軟式野球とは！たとえ相手に10安打打たれ、こちらが0安打でも試合には勝てる。そういうものなのだ。強いチームは勝ち方がどうであれ、絶対に負けない試合展開をする。

先に述べた、チームの使命、存在価値が選手一人、一人の細部に渡り『Break　Down』され一人、一人の選手達がそれを噛み砕き考え、自分のやるべき仕事をキチンと練習で行い、それも血反吐を吐くまで反復し。試合に臨んでいる訳である。我々クラブチームが勝つためには、その思想の2倍、3倍も上を行かなくてはならないということだ。勿論、自分の私生活そのものも『勝つためには？』に変えていかなくては成らない。また毎年、毎年現状維持はありえない。すなわち『勝つということは、自分自身をEvolution』させることである。

我々淵野辺オリオンズクラブの選手達は、そうした環境の中あたりまえのように、『やるべきことを徹底的にキチンとやる』『監督は絶対に次に、こう動くはずだから俺の役目は？』と考えることができる選手達なのだ。我ながら言うのもなんだが、そういったところが淵野辺オリオンズクラブの強さであり、うちの選手達は見事だ！と素直に認めざるを得ない。

我々、クラブチームが強く成るには、『自分自身をEvolutionさせ考えることだ！』自分が考えれば相手も考える。考えさせれば、勝ったも同然である。クラブチームの皆さん、今からでも遅くはありません。自分達の価値観、存在感を再度見直し、強いチームを作ってください。最後に皆さんに知っておいて頂きたいのは、軟式野球において最大の武器は機動力であり、チームワークであるということです。クラブチームが企業TOPチームに唯一見劣りしないのが上記2点であるということ。これを最大限に生かす野球をするように考えることが重要なことです。

淵野辺オリオンズクラブ監督　小柳　嘉巳

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